定期借家権法成立! (住宅新報H11.12.24)
定期借家権創設を盛り込んだ「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法案」が平成11年12月9日、参議院本会議で自民・自由・公明・民主党の賛成を得て、成立となりました。平成12年3月1日の施行となります。
期間の定めがある建物賃貸借を締結する場合には、公正証書等の書面による契約をするときに限り契約の更新が無い旨を定める事ができる。
賃貸人は予め賃借人に対して、契約の更新が無く期間満了によって賃貸借が満了する事を書面を交付して説明しなければならない。説明が無い場合は定期借家権契約は無効。
200平方メートル未満の居住用建物の場合には借家人は途中解約を申し入れることが可能で1ヶ月後に終了する。これに反する特約は無効。
既存契約からの切り替えはもちろん、居住用建物では合意解約後に定期借家権を締結することも当分の間は禁止。
施行は平成12年3月1日より
福井秀夫教授(法政大学社会学部)・賛成派
「借地借家法は不透明な解約制限立法としての正当事由制度と継続賃料抑制主義をもたらした。その一方で新規家賃は一切コントロールしていないため、自発的に退去する借家人は賃料規制や解約制限、高額な立ち退き料の恩恵とは無縁であるが、自発退去しない者だけはどのような強者であろうとも強力な保護を受けるというアンバランスがある」
「定期借家権の効果としては第一に、潜在的借家人の利益が増大する。空き家・遊休持ち家の供給が増え、郊外を中心に広めの新築借家も増えるから、東京1時間通勤圏では8.7%の家賃低下が見込まれる」
「持ち家の売買も活性化する。定期借家ができれば米英のように売り手は市況がよくなるまで定期借家で運用し、買いの時は試し入居をすることもできる。今は売りも買いも瞬間風速で行うしかなく、日本の借家法は持ち家の取引費用も高めている」
田中啓一教授(日本大学経済学部)・賛成派
「法案は賃貸借契約の両当事者に多様な選択肢を提供するものであり、グローバルスタンダードにもマッチする。さらに高齢者の住宅活用促進も可能にするものであり、経済構造の変革が求められている我が国にとっては早急に整備すべき制度である」ことを強調した。
また「固定資産税の増大などで今後も賃貸住宅経営を積極化せざるを得ない土地所有者は、定期借家権の創設を機に供給を加速することが予想されるため、良質で低廉な賃貸住宅の供給が増えることが考えられる」
酒井金太郎(全国借地借家人組合連合会会長)・反対派
「法案は、賃貸住宅の供給促進という目標は何ら実現の保障を与えず、借家人を追い出す定期借家制度には実効性をもたせたもので、借家人の居住権を無条件に奪うものだ」
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