ナカトク不動産商事
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なぜ定期借家を導入するのか?
定期借家契約を導入するために、借地借家法の改正はどのように行われたか?
定期借家の導入が、住宅弱者を追い出すのか?
定期借家は、賃貸人(貸主)・賃借人(借主)それぞれにとってどのようなメリットがあるか?
定期借家権にはどのような効果や活用方法があるか?
定期借家権導入の経済効果はどのくらいの予測か?
定期借家権の導入によって、建物賃貸借に関して、規模、世帯、経営形態等にどのような影響が見込まれるか?
定期借家契約は、新規の建物賃貸借に限るが、定期借家権の施行後に、借主が変わった場合でも従来型の建物賃貸借で結ばなければならないか?
一棟の建物において、従来型の建物賃貸借契約と定期借家契約という二つの例が存在するのか?
仮に、借主・貸主が解約を合意した場合、従来型賃貸借契約から、定期借家契約に切り替えることはできるか?
定期借家契約において、契約期間満了前に中途解約はできるか?
再契約の場合、必ず書面による契約が必要か?
定期借家契約は必ず公正証書じゃないとダメ?

なぜ定期借家を導入するのか?
現在行われている借家契約(従来型)に適用される正当事由制度は、戦時下の統制として昭和16年に創設されたままのものであり、明け渡しにおいて貸主・借主間のトラブルの一因になっているともいわれています。さらに、住宅ストックが世帯数を大きく上回る原状では、正当事由制度が良質な借家の供給を阻害する大きな要因ともなっています。「土地の所有」から「土地の有効利用」へと意識改革が叫ばれている今日、本格的な居住の場として良質な賃貸住宅を求めるニーズが高まっています。今、まさに21世紀にふさわしい国民の豊かな住生活を実現する必要があります。民間の市場では良質な賃貸住宅が供給されますと、借主も多様な賃貸住宅の選択肢が増えることになります。定期借家によって、このことが実現できます。

定期借家契約を導入するために、借地借家法の改正はどのように行われたか?
「良質な賃貸住宅等の供給を促進する特別措置法」という新しい法律の中で、住宅政策の観点から借地借家法を改正して定期借家法の導入を図りました。
特別措置法は、本則5条、付則4条、というきわめて短い法律ですが、本則5条において、借地借家法の一部を改正し、定期借家権の導入を図りました。

定期借家の導入が、住宅弱者を追い出すのか?
結論から言えば、定期借家権の導入が、住宅弱者をいじめることにはなりません。

定期借家は、賃貸人(貸主)・賃借人(借主)それぞれにとってどのようなメリットがあるか?
定期借家契約は、貸主と借主が合意に基づいて、自由に契約期間、家賃等を決めて、契約期間の満了によって契約が終了するものです(再契約は当然可能です)。貸主はいったん借主に貸したら、明渡しを求めても、正当事由が無い限り、これに応じてもらえない従来型の借家契約から、定期借家では期間満了の1年前から6カ月前までに事前通知を行い、そして契約の期間が満了すれば終了します。
借主は、従来型契約では、2年での契約更新がほとんどとなっており、更新の際に多額の更新料を貸主に支払うわけですが、定期借家では、更新料が不要となり、借主の費用負担が軽減されます。
また、借主は、自由な契約期間が貸主との合意で選択できますから、いろんなバリエーションの賃貸住宅が供給され、契約に当たってその選択肢が増えます。
他にも、貸主・借主双方にとって多くのメリットがありますが、大きくは以上の点だと思います。

定期借家権にはどのような効果や活用方法があるか?
定期借家権の効果と活用には、いろいろのケースが考えられますが、例をあげれば次のようなことが考えられます。
@居住用及び業務用の賃貸住宅市場が拡大される。
 具体的には次の要因による。
・良質な賃貸物件の供給増
・定期借家権+不動産証券化の組み合わせによる新しい賃貸事業の創設
・高齢者住宅、転勤者住宅の市場の供給
・新規物件への買い替え購入の拡大(既存物件は貸し付けて、家賃収入を新規物件購入代にあて、不動産市況が上昇した時に、既存物件を売却する)
A市場動向に即した家賃改定ルールが確率される。
B不動産価格の透明化が図られる。
C土地の流動化、証券化が促進される。
D我が国の不動産市場のグローバルスタンダード化への対応も可能となる。

定期借家権導入の経済効果はどのくらいの予測か?
経済効果の試算は、官庁や業界団体から出されていますが
@経済企画庁試算によれば
 定期借家権導入の経済効果は20年間で16兆円(年間8000億円)と推定しています。
A定期借家研究会(座長・田中啓一日大教授)によれば
東京都心1時間圏内に限定しても、借家建設戸数は41.6%増加し、投資拡大効果は年間2740億円、これに耐久財消費効果を上乗せすると4100億円になるとしています。

定期借家権の導入によって、建物賃貸借に関して、規模、世帯、経営形態等にどのような影響が見込まれるか?
現行借家制度においては、様々な不確実性に起因する将来的な経済負担のおそれがあるため、賃貸住宅経営者の良質な賃貸住宅供給意欲が妨げられています。
このため、転居率が高い単身者を対象としたワンルームマンションや若い夫婦世帯を対象とした1DK、2DK等の狭い借家の供給にシフトしているのが原状です。
定期借家権が導入されれば、経営上の不確実性がなくなるので、賃貸住宅経営者は安心して良質な賃貸住宅の供給ができるようになります。
その結果、空家になっている持家を賃貸に出したり、規模の大きいファミリー向けの良質な賃貸住宅を新築したりすることで、賃貸住宅市場が活性化し、多様な賃貸住宅の供給が促進されるものと期待されます。

定期借家契約は、新規の建物賃貸借に限るが、定期借家権の施行後に、借主が変わった場合でも従来型の建物賃貸借で結ばなければならないか?
このような例の場合、従来型の建物賃貸借でも、定期借家契約のどちらでも結ぶことができます。

一棟の建物において、従来型の建物賃貸借契約と定期借家契約という二つの例が存在するのか?
当然そういう場合も生じます。ただし、定期借家権導入後であっても、居住用の建物については、従来型の建物賃貸借契約を結んでいた人が、引き続いて同一の建物を借りる場合は、当分の間は従来型の建物賃貸借を結ばなければなりません。

仮に、借主・貸主が解約を合意した場合、従来型賃貸借契約から、定期借家契約に切り替えることはできるか?
切り替えについては、事業用と居住用とを区別する必要があります。まず、事業用の建物賃貸借の場合はできます。ただし、事後のトラブル防止上、合意解約については、きちんと書類にしておく事が望ましいことはいうまでもありません。
また、切り替える場合は、貸主は従来型賃貸借契約時に預かっている金銭があれば、借主に返還しなければなりません。
つぎに居住用の賃貸借契約の場合は、借主が十分に理解しないまま切り替えられるおそれが万が一にでもあるといけないため、当分の間は、切り替えは認めないことになってます。

定期借家契約において、契約期間満了前に中途解約はできるか?
事業用の建物賃貸借又は200u以上の居住用の建物賃貸借契約の場合は、定期借家契約において「期間内解約」を特約化することによって可能です。200u未満の居住用の建物賃貸借の場合は、特約が無くても、転勤・療養・親族の介護・その他やむを得ない事情が生じた時は、借主は中途解約の申し入れをすることができ、申し入れから1カ月で契約を終了させる事ができます。これより、借家人に不利なものは、特約とすることはできません。

再契約の場合、必ず書面による契約が必要か?
必要です。書面によらない契約は、従来型の借家契約となります(法38条1項)

定期借家契約は必ず公正証書じゃないとダメ?
必ずしも公正証書の必要はありません。改正法(38条1項)では公正証書としており、定期借家契約である旨(契約の更新がなく期間満了をもって終了すること等)が明記してあれば、別の契約書形態でもよいとしてます。